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サーフィン日記

強風がひゅうひゅうと上空を渦巻いていた。雨戸が揺れ、どこかで物が倒れる音がした。ベッドから出るのに勇気のいる朝だった。今日はサーフィンはダメだなと思った。カフェオレをいれ、焼いたトーストにジャムを塗って、途中まで観た映画にチャンネルを合わせた。ちょうど主人公が悪の巣窟に喧嘩を売りに行くシーンだった。ポールダンサーが胸もあらわに踊っている姿が映し出されるのを見てスイッチを消した。娘たちがいつ2階から降りてくるかも知れない。学校も仕事も休みなのだ。

予報を見ると、嵐のような風にもかかわらず、海のコンディションは悪くなさそうだった。そこそこのうねりがあり、穏やかな北風で面が乱されることもないとあった。

9.5フィートのシングルフィンを車に積んで出発した。セブンイレブンに寄ったら大きいサイズのペットボトルのミネラルウォーターが全て売り切れだった。500mlのを2本とバナナとコーヒーを買って高速道路に乗った。相変わらず風は強かったが空は快晴で気温も20度近くあった。もし波がなかったらビーチで日光浴すればよかろう。

高速道路の車線規制の影響で少し渋滞があった。ふと、制作中のトラックに叫び声のSEが欲しかったことを思い出し、録音するにはちょうどよい環境であることに気がついた。スタジオに入るほどの大仕事ではないが、自宅で叫んだらきっと通報される。録音の機会がなくて先送りになっていたのだ。

狂人のように雄叫びを上げ、その様子をiPhoneで録音した。心拍が早くなり、体温が上昇するのを感じた。パーカーの中に着込んだ下着にうっすらと汗が滲むのがわかった。

駐車場で準備をしていると、後からやってきた同い年ぐらいのサーファーがブーツは必要かと聞いてきた。私は末端冷え性なので(普通ならいらないと思います。)と答えておいた。日常生活の中で見知らぬ他人に声をかけられることはまずないが、海の近くではよく話しかけられる。

予報通り、風はさほど強くはなかった。天気のよい春の海日和だった。水はまだ冷たかったけど手袋が必要なほどでもない。ただ北風というのは嘘で完全なオンショアだった。おそらくこの時間帯までコンディションが良かったのだろう、けっこうな数のサーファーが海に浮かんでいた。なるべく人の少ないところから入ったらカレントがあってあっというまに沖に出た。オンショアの影響で押しつぶされたぐちゃぐちゃの波ばかりだったが、とりあえず来たやつを捕まえたらぐちゃぐちゃのまま波打ちぎわまで連れて行ってもらえた、乗った波はプルアウトせず最後まで丁寧に、砂浜にフィンが突き刺さるまで乗る、が信条のひとつ。友人の受け売りだがそれがかっこいいと自分では思っている。

こんにちは。目があったサーファーと挨拶を交わす。日常生活の中で目があった人に挨拶する習慣はないし、だいたい街では誰も私と目をあわさない。

コンディションはどんどん悪くなり、風も流れも出て、浮いているだけでもしんどくなってきた。サーファーがどんどん上がっていくのでスペースはできるが、肝心の波がないではどうしようもない。

ボードを浜に上げ、いい感じに転がっていた石に腰かけ、ビニール袋に入れて持ってきたバナナを食べた。波にあぶれたサーファーたち、手を繋いで歩く若い恋人たち、平日にはめずらしい家族連れの姿もちらほら見えた。

目を閉じるとオレンジ色だった。波や風の音を感じながら黒点が泳ぐのを追いかけ、しばし「何も考えない」ことに集中した。不安や恐怖や虚無がかわるがわるやってくるのを跳ね除けているうちにペンギンにたどり着いた。無の象徴をピクチャーするにペンギンはあまりにも実在的すぎたが、それでもわけのわからぬ恐怖に取り憑かれるよりはずっとマシだった。2羽のペンギンはしばらく宙に浮かんでゆらゆらしていたが、やがてオレンジ色に飲み込まれ、そのオレンジも次第に色褪せ、波の音だけが暗闇の中に残されてじゃぶじゃぶしていた。

目を覚ますと海の様相は一変していた。肩ぐらいのサイズの波が幾重にもなって押し寄せて、崩れ落ちた泡が波打ち際を白く彩っていた。誰かが放置したビーチボールが左からやってきて私を目の前を横切り、右の方に転がって行った。風が東に回ったようだった。どこに姿を隠していたのか、ショートボードのサーファー達が波のにおいを嗅ぎつけて、続々とビーチに集まり始めていた。

外から見ているよりも波は大きく、休む暇なくやってくるので、海に出るのに難儀した。目の前を、長身でバケツハットをかぶったサーファーが、上手に波とやりくりして、ニーパドルであっという間に沖に出て行った。前にも見たことがあるサーファーだった。上手い奴は存在感が違う。それにその男はドイツ語を喋っていた。この辺の海でドイツ語を耳にすることはとても珍しい。

東からの風を押し除けるぐらいパワーのある波だった。ほとんどパドルせずに波に押されるようにテイクオフして、削るように斜面を滑る。バランスを崩して振り落とされたところに別の波がやってきた。そのまま乗って岸まで行った。苦労して沖に戻ったらサーファーの数が3倍ぐらいに増えていた。内側にもショートの連中がたむろし始めていた。渋滞のエリアを諦め横にそれたエリアの少し内側にポジションを取り、小さめの波と戯れることにした。

狙いをつけた波に左からやってくるサーファーが視界に入った。距離はあったが流したところ、男が笑顔をよこしながら滑っていった。フィニッシュした後に男が振り返ってまた笑った。しつこいようだが、街で私に笑顔をよこす人間はいない。

良い状態は長くは続かなかった。波は突然なくなって、風に煽られたぐちゃぐちゃ状態に戻っていた。空を見上げるとナマコのような形をした邪悪な黒い雲が東から押し寄せてくるのが見えた。雲から飛び降りるように雨が降り落ちている様子も見て取れた。思い残すことはない。潔くリーシュを外し、深くお辞儀をして海を後にした。

着替えを済ませて駐車場を出たら先ほどの黒い雲はすっかり姿を消していた。波もまた少し良くなっているように見えた。

となりのビーチまで車を走らせ、以前に行ったことのあるカフェに足を運んでみた。混雑していたらやめようと思っていたが、幸いお客の姿はなかった。テーブル4台ぐらいの小さな店で、いつもウクレレ音楽が静かに流れている。無口で少々人相の悪い店主(どこからどう見てもサーファーだ。)が、美味しいパンを焼き、コーヒーをいれてくれる。開け放たれたドアから柔らかな風がそろりそろりと入ってきていた。吊るされたハワイの木の風鈴が揺れてポコポコと可愛らしい音を奏でていた。

ベジタブルバーガーを口に放り込んでむしゃむしゃやっていると、母と娘の親子連れがやってきた。母親は40ぐらい。娘の方は小学生高学年といったところか。娘はアイスティーを注文し、慣れた感じで席を取り、リュックサックからノートや文房具を取り出して宿題か何か勉強を始めた。母親は何も注文せずに行ってきまーすと言って店を出ていってしまった。出ぎわに私の方を見てちょっと笑ったような気がしたが、一瞬のことで反応できなかった。人に笑顔をもらうことに慣れていないのだ。

母親がサーフィンをしている間、娘は宿題をして待っているということなのだろう。女の子にお小遣いをあげたいような気持ちになったが、もちろんそんなことはせずに黙ってバーガーを食べ、コーヒー飲み、デザートにイチゴと生クリームの乗ったデニッシュを食べ、勘定を支払って店を出た。ごちそうさま。

駐車場に戻ると、隣に停めた車がちょうど出るところだった。私のと同じ古いホンダの車だった。同じ車なんて珍しいよねえ。と男がわざわざウインドーを開けて話しかけてきた。そうですね。と、出来る限りの笑顔を作って答えた。もう27万キロ走ったよ。と男が言った。そりゃすごいですね。僕の倍だ。と答えた。我々のホンダは中途半端にオフロードなデザインが受けず、あまり売れないうちに製造中止になったモデルで、確かに海で見かけることはほとんどない。弟が車を買い替える時にくれたのをもう5年ぐらい乗り続けている。このぶんだとあと5年ぐらいは乗れそうだ。

都心に近づくにつれ、また風が強くなってきた。おそらく東京は強風に翻弄される1日だったのだろう。得したような気もしたが、少し申し訳ないような気分でもあった。日に焼けた顔や首の皮膚が心地よくヒリヒリしていた。

今年最後のDJは東京湾クルーズ

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今年は初の海外DJツアーを敢行し新展開があったものの国内での活動は尻すぼみ、DJとしてはイマイチぱっとしない1年になってしまいました。しかし懲りずに来年もやりますよ。たぶん今後は海外での活動に軸足を置くようになる気がしています。ともあれ1年間大変お世話になりました。最後は東京湾クルーズ。せっかくなんでね。少しおめかししていらっしゃるとよいかも知れません。

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”EXTRA+”シリーズは東京アンダーグランドジャズシーンの重要人物=TOSHIHIRO ONOさんが手がける東京湾ナイトクルージングイベント。

EXTRA+FRIDAYではマックロマンスがレギュラー出演しています。

12月20日のマックロマンスは、シンガーで詩人のChihiro SingsさんとのDJ+ポエトリーリーディングのスペシャルセッション。音のループとポエトリーで東京湾上の時空間を美しく演出します。他にもTOSHIHIROさんが厳選したDJやミュージシャンが集結。クリスマス前の金曜日にふさわしい特別な夜をぜひご体感下さい。

MACROMANCE feat. Chihiro Sings in EXTRA+FRIDAY

12月20日(金)at JICOO THE FLOATING BAR

■TIME:
19:30-23:00
Hinode Pier | 20:00 21:00 22:00
Odaiba Seaside Park | 20:30 21:30 22:30
船は日の出桟橋とお台場を往復しつつ30分おきに着岸しますので、どのタイミングからでも乗船可能です。
■VENUE:
Jicoo The Floating Bar
http://www.jicoofloatingbar.com
■CHARGE:
2,600yen (Floating Pass)
フローティングパスは船から降りない限り乗り放題です。料金には乗船料、エンターテインメント料が含まれます。
■MUSIC SELECTOR:(予定)MACROMANCE feat. Chihiro Sings / MORIKEN / TOSHIHIRO ONO / Airi

And more…

ご予約はマックロマンスまでダイレクトメッセージお願いします。

偽善者の救い

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よくサーフィンに訪れる海で、初めてビーチクリーンしました。ゴミ袋持って行って、目に入ったプラスチックとかのゴミをひたすら集めるというやつ。集めたゴミはもちろん持って帰って処分します。

僕は偽善者だし、その行為も偽善的だし、僕がちょっとゴミを集めたぐらいで何の役にもなってないことはよくわかっているけれど、これね、やってみると本当に気持ちが良いです。清々しいとでも言えばいいのかな。いやもっと壮大な、うまく説明できなけれど、こんなピースフルな気持ちになったのはすごく久しぶりのことでした。fact.ゴミを拾って誰も救えないけれど、自分は救われる。

環境問題は本当に難しいと思うんだよね。究極に突き詰めると人間がこの世にいないのがいちばん、となると戦争とか虐殺とか、人が大量に死ぬことが肯定されてしまいます。「なるべく燃料を使わない。地元で作ったものを食べる」。みたいなことを熱く語る人の手にブラジル産のコーヒー。だったりね。矛盾とか、偽善とか、いろんな不穏な要素が付いてくる。いちばん楽なのは何も考えないことだけど、そういうわけにもいかないし、まあそれぞれが自分のできる範囲でできることに取り組む。ぐらいのことしか言えません。

僕のビーチクリーンはそういう「地球を救え」とか「海の声を聞け」のような大きな話ではなくて、もっと個人的な、例えば「ひとりカラオケで歌って気持ちいい。」みたいなものだと思います。偽善者呼ばわりされるのが怖くて、今までやったことがなかったけど、何のことはない。もっと前からやってればよかったと思いました。これで味をしめたので、これから街中とかでもいろんな偽善的行為やるかも。覚悟しろよ。

コーヒーブレイク

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本屋をうろちょろしていたら、ふと「もしお金のために働かなくてもよいならあなたは何をしますか?」というコピー(うろおぼえなので正確ではないけれど、だいたいそんなだったと思います。)が目に入ってきました。おそらく「ベーシックインカム」がテーマの本だと思います。内容はともかく、頭の中で「そりゃあサーフィンだよなあ。」と即答。

よく考えてみたら僕は現在ほとんど働いておらず、つまりその本のコピーで謳われている「お金のために働かずに生活している人」そのものです。その気になれば毎日サーフィンに行くこともできますが、実際に海を訪れるのは多くても週に1度ぐらい。だいたい毎日、家から一歩も出ずにパソコンかiPhoneでツイッターなどを眺めているうちに日が暮れるという堕生活を何年も繰り返しています。

バリバリ働いている人はだいたい趣味、というか私生活の方も充実しているのではないかと僕は思います。僕のような本物の怠け者は、時間があっても自分の好きなことですらやらずに、ぼおっと何もしないことの方を選ぶんだわ。そんな自分のことをいつもとても残念に思っていますが、今更ライフスタイルを変えようとまでは思いません。

さておき、やっぱり海はいいなあ。いい波にのれた後のコーヒーは本当に美味しいです。せっかく時間があるんだから毎日行けばいいのにね。

キダオレ日記「フリース」

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首がない。胴体から直接頭が生えている。
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ウルトラマンの怪獣にジャミラというのがいた。アレと同じシルエットだ。
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若い頃の写真では頭と胴の間に首が見てとれる。ほっそりとした素敵な首だ。そいつは一体はどこに行ったのか?
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太って首が胴体に吸収されるということはあろう。しかし体重は10代の頃とほぼ同じ。腹のまわりに少々ゆるみが出てきたが、全体として体型に大きな変化はない。ただ首だけが消えて無くなった。
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ジャミラの服探しは苦労を伴う。基本的には何も似合わないが、ふとある日、コムデギャルソンを着るとうまくいくことに気がついた。奇抜なデザインが異形な身体をうまくカバーしてくれるのだ。
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日常的にコムデギャルソンを着ているような生活に憧れはするが、実際はそうもいかない。サーフィンに全身コムデで登場したら、きっと地元のサーファーにボコられるだろう。
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サーフィン時に限らず日常生活において使い勝手のよいアウトドア用ウェアは当然、機能性を重視したデザインが採用されている。フリースの中着も風や雨が入り込まぬようよく考えられていて、首の部分はタートルネックが基本。
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これが我々のような首なしジャミラ族には厄介な代物であるわけだ。タートルネック、すなわち襟の部分がせり上がって、前から見ると口のあたり、横からだと耳の上あたりまでをすっぽり覆うことになる。
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僕の場合は前のジッパーを下げ、襟を折り返して、ジャージの用にして着用していた。不恰好だが他に選択の余地がない。
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今年、Patagoniaからクルーネックのフリースが発売された。8月に店頭に登場し、あっという間に売り切れたそうだ。この国にはどうやら僕と同じように、ない首、短い首に悩む者が多く存在しているのだと想像する。
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そこまで爆発的に売れたのであれば、メーカーも首なしのウェアを作り続けるしかなかろう。首なし族の、いや民衆の勝利と言えよう。
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53もなると、地味な色の服は危険で、特にモスグリーンのスウェットなんかを着ると本当におじいちゃんにしか見えなくなる。だから年甲斐もなく派手な色や柄の服を着るのだけど、若作りをする様子がかえって痛々しいという意見もあって無視できない。
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聞けば磯野波平さんは54歳なのだそうだ。いくら若者に迎合したところで、53歳とはつまり老人なわけである。首が短いのもモスグリーンも全てを受け入れて老人らしく静かに生きていこう。そうしよう。

MOVIE VIEW「ハナレイベイ」

映画「ハナレイベイ」を観ました。村上春樹さんの短編映画化。

10代の頃に初めて村上春樹さんの「風の歌を聴け」を読んで、それはそれは深くハマって、最初の三部作と「世界の終わり〜」の4冊は常に持ち歩いて時間があったら読み返すぐらいよく読みました。英国でパンクロックバンドやりながら、ひとりになったら村上春樹読んでるわけだ。変な奴だよね。

僕は読書家というわけでは全くなくて、特に小説は年に1冊読むか読まないかぐらい。買うには買うんですけどね。だいたい30ページぐらいで集中力が途切れて放り出してしまいます。でも村上春樹さんの小説だけは他と何かがちがって、ぐいぐい言葉が入ってくるんですよね。彼は何かそういう「バカの操作法」みたいな特殊なテクニックを持ってらっしゃるのだと思います。

しかしまあ、世の中には数え切れないぐらいのたくさんの素晴らしい物語が本になっているというのに、一生のうちにその中のたかだか50冊ぐらいしか読まないで死んでいくというのはいささか悲しいことであるような気もします。

そういう村上春樹さんの本も近頃は手に取ることが少なくなってしまいました。最近発売されるものはチェックすらしていない。作家としての能力に磨きがかかって、当時のものとは比べものにならないぐらい力作で読めば楽しいはずなんですけどね。何だか興味が湧いてこないの。

ローリングストーンズがどれだけ長く活動しても「サティスファクション」を超えるような曲を発表できないことからも言えるように、最初にインパクトの強すぎる作品を世に送り出したアーティストはその後ずっと自分の作品の亡霊みたいのにつきまとわれながら活動していくことになります。ちょっとかわいそうな気もします。まあそういうこと気にしない人がずっと長く活動し続けられるのだとは思いますけど。

さて、映画の方はいろいろよかったですけど、まあやはり主演の女優さんの演技力とそれを引き出した監督が素晴らしい。ということに尽きると思います。あと脇役ではサーファーの少年役のひとりがすごくよかった。セリフ棒読みみたいな喋り方。もしかしたら演技ではなくてナチュラルなのかも知れないけど、最近の若者ってほんとにああいう風に喋るんだよね。感情が備わってないみたいな態度でちょっとかっこいいよなあ、とおじさんは思っているのだけど、真似したくても真似できないんだわ。

映画っていいなあ。

DJ INFO “EXTRA+FRIDAY”

YUASA&MACDUBWISE

えー、このところ、マックロマンスがDJするともれなく美女がついてくるという夢のような夜が続いておるのですが、あの人の姿をまだ見ていないと思ってる方も多数いらっしゃるのではないかと思います。うむ、お待たせいたしました。トロンボーンのユアサ嬢、満を持しての登場であります。湯浅佳代子さんのことは今さら説明する必要もないですね。今や日本でいちばん忙しいトロンボーンプレーヤーと言っても過言ではない、東に西に大活躍中のアーティストでらっしゃいます。

もう10年ぐらいになるかなあ、彼女がデビューしてすぐの頃から目を付けていました。いえいえ僕に人を見る目があったわけではありません。竹林の中でその竹だけ光り輝いていましたので。

思えば数年前、彼女が声をかけてくれて成田(湯浅さんは千葉県成田市出身です。僕のルーツも。)で開催されたパーティーに出演したのがミュージシャンとの初セッションなんだよな。現在の僕の様々な(DJらしからぬ)実験的な活動は、間違いなくその成田の夜がスタート地点です。

めくらめっぽうに突き進んできた僕のDJライフですが、このところ大まかにやりたいことが三方向ぐらいに定まってきたように思います。

1、空間演出:花びんの花や壁の絵のように空間を音で彩るインテリアミュージック。

2、ダブワイズ:ダブの手法を取り入れたビートレス、あるいはダウンビートなDJミックス、リミックス。

3、アートワーク:よりコンテンポラリーなサウンドインスタレーション作品。

いずれにしてもクラブやフェスで需要のありそうな内容ではなく(そもそも「ダンス」という概念が抜けています。)、概存のいわゆる「クラブシーン」「DJシーン」からはまともに相手にしてもらえる感じはしません。彼らとはこれからもあまり関係を持つことなく、自分で道を切り開いていくしかないんだろうなあって思っています。

東京の音楽業界はほぼ僕の存在を知らないし、知っていても完全に無視されている状態な中で、湯浅さんのように第一線で活躍しているミュージシャンらが、キャリアに何のメリットもないことは承知の上で僕の活動につきあってくれてるんだよね。何でもおもしろがってチャレンジしていく姿勢に今更ながら感服してしまいます。

さておき、今回は上記の中の2番で行きますよ。湯浅さん最近シンセとか買ってエレクトロづいてるらしいから、けっこうビガビガした内容になるかも知れません。

DJ MACROMANCE feat. KAYOKO YUASA in “EXTRA+FRIDAY”

10月19日(金)JICOO THE FLOATING BAR 日の出桟橋をよる8時出港

 

キダオレ日記 フレグランス

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日常的にフレグランスは使っていませんが、夜に出歩く時は身だしなみ程度に香りをまといます。長くラルフローレンのロマンス(名前からして選択の余地がありませんし、爽やかな香りも好みでした。)を愛用していたのですが、終売になって数年。ストックもとうとう最後の一滴まで使い切ってしまい、新たな香りを探すことになりました。

もともと僕はクリスチャンディオールのポワゾンとか、イヴサンローランのオピウムのような主張が強く、かつ、エグめの香りが好きで、こっそりシャネルのエゴイストを持っていたりもします。(まあ実際にエゴイストを使う場面って年に1度あるかないかぐらいのものですが。)シャネルの香水はとにかくボトルのデザインがかっこよくて、オブジェクトとしても萌えますね。

映画の帰りに渋谷の西武百貨店(古巣です。)のシャネルのショップで香りの吟味をしていたところ、お店の方に勧められたのが、写真の真ん中=パリ-ビアリッツ。ずばり、南ヨーロッパの「海」を連想させる、ロマンティックな香り。その前に10種類ぐらいくんくんやってたの全部吹き飛んでしまいました。これで決まり。2018年の新作というのもいいし、ユニセックスというのがまたいい。

よい香りとの出会いは本当に気分が高揚します。これはたぶん自力では見つけられなかったんじゃないかな。勧めてくれたお姉さん(の感性)に感謝です。これだけインターネット中心の世の中にあっても、香水売り場は最後までなくならないでしょうね。きっと。

DAZZ SESSION

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偶数月の第三金曜の夜にJICOO(東京湾クルーズ)で開催されるイベント”EXTRA+FRIDAY”に8月も参加します。JICOOでは、やってる本人が「ほんとにいいのかな?」と思うぐらい毎回かなり攻め込んだプレイを展開させてもらっていますが、今回も普通のDJな感じにはならなそう。

ゲストにフルートの女王様=斉藤真紀さんをお招きしてのDAZZ SESSIONです。彼女はアフロバンド=ジャリブ(Jaribu Afrobeat Arkestra)で長らくフロントを務めてらしたから、ご存知の方も多いと思います。バンド脱退後もアフロミュージックはもちろんのこと、舞踏や絵画、映像のフィールドまで進出して変幻自在に美しい旋律を撒き散らしてらっしゃいます。

見ての通りのアジアンビューティー。天は二物を与えてしまったわけですが、セッションで、どこまで彼女の妖艶な魅力を引き出すことができるか、今から心臓バクンバクンしています。まあこのコンビですのでエロいサウンドになることだけは間違いないでしょう。

実は彼女とはいちどだけ一緒にプレイしたことがあります。僕がDJデビューしてまだ間もない頃、レコードに合わせて彼女がフルートを重ね、レオナがタップを踏むという内容。曲はエスケンさんが選んだもので、僕はキューに合わせてレコードに針を置くというだけの地味な役割でしたが、スピーカーから流れてくる音に興奮したのをおぼえています。漠然とまたいつかセッションできればいいなと妄想していたのが、今回(五年越しに)実現することになりました。

僕たちの他の出演者も濃厚です。特にメインのAuthentic Midget Orchestraは”旅するアコーデォニスト”田ノ岡三郎さんが率いるユニット。

DJマックロマンスも思えば遠くまで来たもんだ。と思いますよ。もう戻れないのでね。行けるとこまで行きます。

*僕のDJ活動の中でも、今回のようにミュージシャンらとセッションすることを「DAZZ SESSION」と呼ぶことにしました。Dは僕の別の愛称「DADA」、それから「DUB」のDでもあります。

DJ info “JICOO”

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先月に引き続き8月もJICOO東京湾クルーズでDJさせていただきます。その他スケジュール更新していますのでチェックしてみてください。どこかの夜でお会いしましょう。

Photo by @secret_citywalk

DJ info(東京湾クルーズ)

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久しぶりにJICOO(ジクー)でDJします。ぜひ遊びにいらしてください。

6月15日(金)よる8時出航(まだ正式に発表されてないフライング告知です。詳細は後日アナウンスいたします。)

ゆく年くる年

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おくればせながら2017年マイ・ニュース・ランキング。

10位:タクシーで貰い事故
自分が追突事故に巻き込まれることになるとは夢にも思っておりませんでした。DJの帰り、深夜の表参道でのできごとでした。幸い怪我はなかったですけど、同乗の友人たちはムチウチの症状が出たりして病院に通う羽目に。タクシーの運転手さんに暴言を吐いてしまったことを反省しています。
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9位:ジョン・エントウィッスルの作ったベースラインを演奏
年末恒例のライブイベントに即席バンド?のベース担当で参加しました。演目にエルトンジョンの歌う「ピンボールウィザード」という曲があったのですが、原曲のベースを弾くのが悪名高きジョン・エントウィッスル(ザ・フー)。変態的なベースラインをカバーするのにてこずりました。本番は70点ぐらいかな。現役時代もやらなかったぐらい毎日ベースの練習をして辛かったけど、久しぶりに演奏で達成感を得ることができました。
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8位:復活コムデギャルソン
コムデギャルソンでセットアップを買ったら、ものすごく具合がよくて、人生も少し明るくなりました。コムデを着て街を歩いている時がいちばん「幸せだなあ」って思う時です。
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7位:外苑前オフィス閉店
とても悲しいニュースです。本当に「自由」な空間でした。
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6位:ラジオ番組に出演
女流トロンボーンプレーヤーで友人の湯浅佳代子さんがパーソナリティーを務めるラジオ番組にゲストで出演させてもらいました。人生何が起こるかわかりません。
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5位:DJジャズセッション
トロンボーンの湯浅佳代子さんとレコードの僕とのセッションを僕たちのルーツである成田市でのイベントで披露しました。かなり実験的な内容でしたが、さすが世界にいちばん近い街=成田の市民はバッチリついてきてくれました。大成功でした。
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4位:ナガイツトム「エブリデイライフ」展
アーティストで友人のナガイツトムくんが描きためた「マックロマンス」の絵を公開するエキシビジョンが開催されました。会場は友人の小山さんが新規に開業したカフェ=アリカ。
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3位:文章が出版物に載った
スパイス調合家で友人の日沼紀子さんが出版したスパイス専門本「日常づかいのシナモン・レシピ」にコラムを寄稿させていただきました。自分の書いた文章が活字になって出版物に載ったのは人生初めての経験です。夢は叶うものですね。
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2位:入院
腸閉塞を患って入院しました。暴飲暴食自暴的な生活を長年続けてきて、いつか身体を壊すだろうなと思っていたのが現実になってしまいました。ただ入院生活はバカンスに出かけたみたいで楽しかったですし、ライフスタイルを考え直すよいきっかけにもなりました。
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1位:酒をやめた
酒をやめた直接的な原因は入院ですが、その前にエスケンさんのライブがあったり、そこでDJの八重樫さんとの出会いがあったり、断酒に至るまでいくつかの象徴的なできごとがありました。その辺のことはまた機会があったらお話ししますね。
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酒のない生活はもう半年以上になります。環境が激変して、まるで違う惑星で生活しているかのよう。体重もグッと落ちて二十代の頃と同じぐらいになりました。「シラフのマックはつまらない」という声もちらほら聞こえてきますが、やっと本来の自分、自分らしい自分の姿に近づきつつあると感じています。
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比較的平穏無事で刺激の少ない1年だったと思っていたのですが、こうやって改めて振り返ってみると、けっこういろいろありました。
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僕らの年齢になってくるといやがおうにも「老後をどう生きるか?」というテーマが目の前に立ちはだかってくるわけなんだけど、2017年で方向性は見えた感覚はあります。
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「2018」の数字の並びに何となく愛着を感じるのは僕だけ?「2017」には何とも言いようのない違和感があったんだけど、2018は居心地がよいです。何か懐かしさすら漂っている気する。52年間、毎年毎年ずっと自分に裏切りられ続けてきて、いまさら期待をかけるのもバカバカしいのですけど、マックロマンス、今年は君の年になるんじゃないかと思っています。がんばれよ。
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写真は2018年1月1日の夕暮れ時。東の空にほぼ満月が見えました。磐田市で撮影。

ドリッパー

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携帯用のコーヒードリッパーを入手しました。折りたたみ式、専用のポーチも付いてご機嫌です。これで「海でコーヒー」用の道具集めコンプリート。

ゴミ箱

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サーフィンとかアウトドアなシチュエーションに携帯式のゴミ箱があると便利かなと思っていたら、しっかり商品としてあるんですね。別に他の用途に使ってもよいのでしょうけど、いちおうゴミ用として売られていました。思いつくモノは何でも売ってる2017年。

写真はたたんだ状態、留め具を外すとビローンと伸びて高さ30cmぐらいになります。内部に小さな洗濯バサミみたいのが付いていて、ビニール袋などを固定できるようになっている。外に置きっ放しだと風に飛ばされてしまうので車内専用。思っていたほど便利でもないような気もします。そのうちこれそのものがゴミになっちゃったりして。

「ゴミ」は英語で”Dust”とか”Garbage”が一般的だと思うのですけど、イギリスでは”Rubbish”で、頻繁に会話に登場してくる単語だったと記憶しています。ゴミそのものを意図するよりも、気に入らない音楽とか映画とかを指して「あの曲はクソだ。」みたいな使い方をすることが多かったと思います。鋭利でスノッブなイギリス英語の発音で言われるとけっこうグサッときちゃうよね。

コーヒードリップポット

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海辺でコーヒー。というのをやってみたく、ツールを集めているところです。ガラクタだらけの我が家ですので、買い物しなくとも大抵のものはすでに持ってたりするんだよね。このポットも以前ダダティークで使っていたもの。たしかタカヒロというブランドの日本製、高くバリスタの指示を得ているモデルです。もともとはプロ用のツールだけど、昨今のコーヒーブームもあってか自由が丘あたりの雑貨屋などでも見かけるようになりました。けっこういいお値段しますけど、ものすごく使い勝手よく、ひとつ持ってればたぶん一生使えますので、コーヒー好きの方にはかなりオススメです。

アウトドア用ではないけれど、頑丈だし、直火オッケーだし、海で使うのに何の問題もないと思います。ちょっと使い込んだ感じもかっこいいでしょ?

で、次はドリッパーだな。

サイクリング下田

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今週、真鶴に行ったばかりですが、今日は下田を訪れました。スーパービュー踊り子号に乗って伊豆急下田駅へ。(スーパビューなわりにはトンネルが多くて、ま、いいですけど。)白浜まで5kmぐらいの道のりを歩いてもよかったのですが、うまい具合にレンタサイクルを見つけたので急遽ハイキングからサイクリングにチェンジ。グーグルマップに最短距離を入力したところ、これが裏目に出て、激しい峠をママ自転車で越える羽目になりました。鈍った体によい刺激になったかな。帰りは普通の車道を使いましたが、それでもまあまあの高低差ありました。この景色が観れたのは神さまからのご褒美ですね。

ハイキング真鶴

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写真:真鶴半島の先端 遊覧船より写す

最近のささやかなマイブームといえばハイキング。リュックサック背負い目的地に向かってちんたら歩きます。今日は真鶴来訪。真鶴半島は火山が噴火して海に流れ込んだ溶岩でできているのだそうです。海から見ると確かに、熱い溶岩が山から海に向けてなだれ落ちてくる様子がまざまざとうかがえます。こういうのを見ると、なんだかね。いつ形が変わるかわかんない土地に線を引いて、こっちはオレのもので、そっちはどうとかつって、我々は本当にちっぽけで滑稽な存在だって思っちゃいますね。

半島の先端には潮が引けば徒歩で行くことができるそうです。次回トライしてみようかな。途中で潮が引いちゃったりしたらコワイですけど。

無題

よく足を運んでいた近所のカフェがきのう閉店した。喪失感ハンパない。お気に入りの店がなくなると人はこういう気持ちになるんだな。

平和と知恵

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満開のオリーブの花が散り始めました。とすると、もしかしてこのあと実がなるのででしょうか?想像しただけで興奮してしまいます。

オリーブの花言葉は「平和と知恵」なのだそうです。世界がオリーブの樹を中心にまわるようになればよいのに。

横須賀美術館

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横須賀美術館に行ってきました。湘南エリアや三浦にはちょくちょく足を運びますが、ちゃんと横須賀を訪れたのは初めてだと思います。5月だというのに真夏日和で、何となく沖縄やグアムのことを思い出しました。地元の人たち、あまり細かいことは気にせずにみなさん自由奔放に生きているように見えます。

美術館の建築はとても好み。白を基調に海と山の自然を取り入れ、曲線と直線をうまく使い分け、光の取り込み方も素敵でした。東京湾を行き交う船、海からの風、木々が揺れる音、小鳥たちのさえずり、何も言うことはありません。

デンマーク展開催中で、ひととおり観ましたが、よく見かけるものが多くさほどめずらしい感じはしませんでした。デンマークの家具や食器、アートは、けっこう僕らの日常に普通に溶け込んでいるものなんですね。発見と言えば発見です。常設の作品は近代の日本人画家のものばかりでつまらなかったです。何だろう、洋画なのに演歌な感じがしちゃうんだよね。そこがいいんだよ。っていう人もいるのだろうから、これは、まあ、趣味の問題です。

美術館のサイズもちょうどいい。足早に回れば1時間ぐらいで全部観れてしまう。その気になれば半日いてもたいくつしない。それからレストランの生ビールも美味しかったです。

今回は時間がなくて数時間の滞在でしたが、横須賀、なかなか奥深そう。また帰ってくるぜ。

Parasite?

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ふと植木鉢を見たら見知らぬキノコがにょきにょき。植物って本当におもしろい。ちなみに鉢の中心に植わっているのは食べた後のタネから育てたビワです。

ハイキング

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最近の静かなマイブームと言えば「ハイキング」。「散歩」と何がちがうのかと言えば、そうね、ハイキングにはおおむね決まったルートがありスタート地点と目的地も明確です。どこで食事をするかなどの予定もある程度立ててある。何もかも行き当たりばったりでやってきた僕にとってはなかなか新鮮。達成感を得るためには「プラン」の存在が必要不可欠とこの歳になってようやく気がついた次第です。

どの地を訪れても、よく手入れのされた公園や美術館などの文化施設、グルメ本には載ってないような飲食店などが点在しているもので、まあ、寄り道は必至です。

この日は東調布駅から深大寺までの10kmほどの道のりを歩きました。小川のほとりでカワセミに遭遇。深大寺周辺の蕎麦屋をはしごしてお腹いっぱいになり、近くの温泉で汗を流し、充実の休日となりました。途中、ビール飲んだりできるのもいいよね。

ショートトリップ

DSC_6087.JPGMOA美術館(熱海)からのワンショット。海に浮かんでいるのは初島。

 

オレと海?

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ビートルちゃんで海に行く時、サーフボードはケースに入れて運んでいたのですが、特に湘南だとボードそのまま載っけている人が多いので、僕も真似をしてみたところ、準備も撤収もかなり楽になることがわかりました。

ボードの積み方に関しては、どっちが上だとか、どっちが前だとか、先輩サーファーたちの間でも意見が分かれる上に、そもそもボードをルーフに積むのは危険だという意見もあって(逆に中積みは危険という人もいます。)、要するにサーファーそれぞれにスタイルがあるということなんだと思うのですけど、片方に従えばもう片方の顔が立たず、という感じで、まあ正直ちょっと面倒くさいところはあります。

サーフィンは「オレと海」な世界と思っていたのですが、海には必ず他のサーファーがいますし、地元の漁師さんや住民がいる。ルールやマナーを守ることは当然として、それ以上に彼らと良好な関係が築けるかどうかが、サーフィンを続けていく上でけっこう重要なポイントだということに最近気がつき始めました。「オレと海と人」なわけだ。

ローカルの決まりごとなんてローカルの人と接してみないとわからないですし、ポイント選びに始まって、地元の食堂とか、無料の駐車場とか、本当に欲しい情報はインターネットでは見つけられないことが多い。結局、ここでもコミニュケーション能力がモノを言います。人づきあいが苦手な自分がどこまでどう対応できることやら。

写真:ボードを傷つけずに積めるようにキャリアにパッドを取り付けました。

海岸線

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奥さんの実家がある静岡へ行って来ました。帰りはちょっとまわり道をして海岸沿いをドライブ。もともと海は好きですが、サーフィンをやるようになってから海の見かたも以前とは違います。この日は南風に押されて波がつぶされる感じで決して良いコンディションではありませんでしたが、地元のサーファーはかまわず果敢に波に向かっていました。

近くに浜岡原発がありまして、周辺エリアは「普通の田舎」とはちょっとムードが違います。これ以上は何も言いますまい。

LIFE SURF

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とうとう神奈川の海にサーフデビューしました。ローカリズムが強い土地でよそ者にはキツイこともあるから注意しろと聞いていましたが、連れてってくれた友達が地元顔なじみってこともあってか、みんな笑顔で挨拶とかしてくれるし、心配していたようなことは何もありませんでした。ゆるくピースフルな波で個人的にはものすごく好みだったんですけど、地元のサーファーはこの程度では海に入らないそうです。

駐車場がオシャレ。温水シャワー完備でいたれりつくせり。徒歩圏内に食事するところもたくさんあるし、美味しいパン屋さんとか、地場野菜売ってる八百屋さんとかあってもう言うことなし。12月とは思えないような小春日和で、ショートトリップを満喫しました。

あと、サザンオールスターズの悪口はここでは絶対に言ってはならぬ。と、肌で感じました。

次はひとりで行ってみようかなあ。。

photo by NOBO

GOOD STORE

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鎌倉でご機嫌なストアを発見。ワークウェアの廉直さに都会的なエレガンスの加わったオリジナルブランドの服と趣味のよいセレクト品がいい感じにディスプレイされています。サーフィン、ファームワーク、ガーデニング、そしてもちろん街でも、今の僕のライフスタイルのあらゆるシチュエーションで使えそうなものばかりがずらりと並んでいてちょっと興奮してしまいました。

この日はサーフィン帰りだった(僕はサーフィンに大きなお金やカードを持っていきません)のでソックスとコンテナだけ購入。ソックスは今年気になるオレンジ色のメイドインジャパン。コンテナはマトリョーシカ人形みたいに同じデザインでサイズ違いのボックスが中に3つ入っています。ひとつはワックス入れに。ほかは何に使おうかな。

ほかにもツイードのジャケットとかフリース素材のパンツ、セントジェームズのボーダーシャツなんかもあってわくわくしました。

このところ何を着ればいいのかわからず、いや、着たいと思う服に出会えず、あちこち彷徨い歩いていて、まさかロンハーマンではなかろうし、アウトドアウェアも頭からつま先までPatagoniaってわけにもいかないし、いっそのことユニクロでいいや、みたいに投げやりになってたので、ちょっと嬉しい出会いになりました。次は財布にお札いっぱい入れて行こうと思います。

ショートトリップ

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土曜日の午後、時間ができたので、ビートルちゃん飛ばして我孫子のノースレイク・カフェ&ブックスに行ってきました。最近はサーフィンでしょっちゅう千葉にいますが、このエリアは同じ千葉でも海側とは何もかもが違います。写真は手賀沼。海でもなく、湖でもなく、巨大な沼。沼ってのがいいよね。水鳥たちに癒されたあと、オレンジ色のサンセットも堪能することができました。

ノースはそろそろ開店2周年だそうです。そんなにしょっちゅう行けないけど僕にとってはホームみたいなお店。美味しいカフェオレと松田さんとののんびりトークやりとりでばっちりエネルギーチャージしました。

このあと帰宅して飲んで寝たらクローネンバーグの映画みたいな夢を観ました。我孫子と関係あるかはわかんないですけど。

JICOO the Floating Bar

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東京湾をクルーズする船上バーJICOOでDJしてきました。クルーザーの近未来的なデザイン、時計じかけのオレンジのワンシーンを思わせるようなミッドセンチュリー風のインテリア、海抜ゼロ地点からの東京の夜景、白装束の美女クルーたち、、「スーパー」を頭につけてもいいぐらいの非日常的な空間での音楽演出はいやがおうにも気分がアガります。

ふだん他ではかける機会の少ない現代音楽も、ここならうまい具合に空気に溶け込みます。以前、(怒られるんじゃないかなあとヒヤヒヤしながら)スティーブライヒをかけてみたんですけど、これが予想以上にピタリとはまって鳥肌モノでした。

今回もミニマル系を基調にしたセットを組み立てようと数日前から準備していたのですが、何か嫌な?予感がして前日にレコードを全部入れ替えしました。

いざ乗船してみたら、オープン前の音出しでトップバッターのDJの方がいきなりスティーブライヒをかけています。ほらやっぱりね。僕の勘はだいたい当たるんだ。まさに、ミニマル系の音源をベースに時おり効果的に音をかぶせつつジャズからテクノあたりまでを縦横無尽に行ったり来たりするタイプのDJで、スタイルが確立され完成度がとても高いと感じました。とても真似できませんし、同じようなことをやろうとしたら完全に負けます。「勝負に負けない方法=戦わない」が僕の持論。直前にレコードを入れ替えておいて本当によかったです。ま、DJは勝負ごとではないですけどね。

この夜は持ち時間が30分。ふだんひとりで3時間4時間やってることを思うとかなりの短距離走です。ランニングで言えば5キロ走ぐらいかな。全力疾走では体が持ちませんが、ゴールの位置は想像できるから、やはりエンディング、「どうやって終わらせるか」が最重要ポイントです。

ヒップに入って、中盤どんよりと曇らせ、エンディングに向けて一気にムーディーに持ち上げる。というのが僕のおおまかなストーリー。一箇所ありえないミスがあった(気がついた人は気がついたはず)以外はまあまあうまくいったように思います。お客さんが少なかったこともあってなかなかスリリングな30分でした。

そうなんですよ。お客さんは多いよりも少ない方が緊張感は増します。ひとりひとりが発するエネルギーが空間に与える影響の大きさはそこにいる人の数に反比例しますから。わかるかな?

この夜はPIECE OF PEACEという女性ボーカル+ギターのユニットのアコースティックライブが入っていて、これがまた素敵でした。浮遊感のあるピースフルな歌声も魅力的なんですけど、言葉のアクセントの置き方がちょっと独特で体のどこかわからない場所をくすぐられているような感じがします。

そんなわけでね。またちょっと飲みすぎました。今日は午前中の予定をキャンセル。

追記:PLX-1000はトルクが強すぎて若干使いにくく感じました。前回はそんな風に思わなかったんだけどな。このところずっとテーブルを縦置きにして練習しているからかも知れません。

サーフトリップ

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3人で勝浦にサーフィンしに行ったら、ひとりが「ダムに行きたい」と言い出したので寄り道してきました。ダムと言っても水を堰き止めている箇所は見えず、ただ山の中に水が溜まっているだけ。何だか想像してた感じとはずいぶん違ったけど、人の姿なく音もなく、奇怪な曇り空とあいまってツインピークスばりのミステリアスなムードを堪能することができました。ジュリークルーズ、今だとラナデルレイの曲がぴったり合いそう。

僕が立っているところの後ろ側の足元には小さな農村地帯、その高低差は50メートルぐらいあったかな。水より低い位置に村があるという状態はやはりちょっと奇妙ではありました。この日は入ったサーフポイントの駐車場で車がひっくり返ってたり、ドライブ途中にイノシシに遭遇したり、全体としてムービーライクな1日になりました。