
人間たちとの騒動はよそに植物らにとっては嬉しい夏の到来である。特に今年は多肉らが元気でどんどん増殖、中には見たことのない花をつけたものもいる。そんな中、細い葉を枯らせて元気のない奴がいる。完全にご臨終の様相だが実はコイツ、夏に休眠する。最初の夏に枯れ、そのまま捨てるのも忘れて放置していたところ、寒くなったらとつぜん新しく葉を生やし、ぐんぐんと背を伸ばしたからびっくりした。伸びすぎて自分で支えられず、支柱をつけて育てている。鉢を換える時に確認したら根っこは不細工にも短く、これでは長い体を支えれらないのも無理はないと思った。自然界でどうやって生きていけるのかわからない。まあ、とにかく変な奴である。ホームセンターの観葉植物コーナーで同じ種類を見たら、サボテンのように手足状の株がニョキニョキ生えていた。ウチのは株をつけずに棒状のままひたすら空にむかって伸び続ける。もしかしたらダメな奴なのかも知れないが、他人とちがうのはいいことだ。ゆっくりおやすみ。君が目を覚ます頃、世界はどうなっているだろう?