MOVIE VIEW

スティーブン・ソダーバーグ監督のコンテイジョンをHULUで観た。確か映画館で観た記憶があるが、内容はうろおぼえ。何もこのタイミングでこんなものを観なくてもよいものを、最近我が家に導入したばかりの動画配信サービスHULUのメニューをチェックしていて何となくクリックしてしまったら画面に釘付けになって離れられなくなってしまった。

早い話が現在の我々が置かれた状態そのまんまみたいな内容である。不謹慎であることは承知で敢えて正直に言うが、これまでにあまり体験したことのない新鮮な感覚で、もう一度観てみたいという気すらしている。VRのヘッドセットを装着しジェットコースターに乗るゲームをプレイしながら、本物のジェットコースターに乗る感覚、とでも言えばイメージは伝わるだろうか。

ウイルスがものすごいスピードで世界を恐怖に陥れてゆく様は、まるで予言のようでもあるが、映画と現実で決定的に異なる点がある。映画の登場人物が、主要な者から通りを歩いているだけの脇役まで、皆、非常にシリアスなのである。逆に言えば、我々の現実社会には多く存在する「能天気」な人がひとりもいない。「カンケーねえじゃん、飲もうぜ〜。」みたいな輩が全くおらず、登場人物全員が一様にウイルスと感染に恐れ慄いているのである。

もちろん被害の程度の差と言ってしまえばそれまでなのだけど、私は、仮に現在のこの騒動がもっと深刻なレベルまで達したとしても、あまり動じず「能天気」な人たちの数は一定数存在し続けると思う。現在「カンケーねえじゃん、飲もうぜ〜。」な人たちだって、決して自分らの身の安全の保障があって能天気でいられるわけではないのだ。何の根拠もないけれど「カンケーねえじゃん」なのである。

ソダーバーグさんもそこまでは想像することができなかった。現実は映画よりもずっと怖い。だってその映画には描かれていなかった「カンケーねえ」人たちが文字通り誰それ関係なくウイルスを撒き散らすことになるわけだから。

でも、同時にそこがリアルな人間の強みであるとも思う。映画で描かれていたレベルのパニックに現実の世界が陥っていない背景には、おそらく物事をあまりシリアスに取らない楽天的な人々が一定数存在することが大きく付与していると思う。私、個人的には、人々はできる限り外出を控えてステイホームすべきだと思うが、世の中の人間が全員私のような心配性かつ悲観的な放射脳タイプだったとしたら、世界はもっと深刻な状況に追い込まれていたに違いない。全体としてよくバランスが取れているのだなと、思いもよらぬ感想をもってして、今日も一歩も家から出ずにいるわけである。さて、次は何の映画を観ようか。

追記:これを書いた後に同じくHULUでオーシャンズ13を観たのですけど、ぜんぜん違う映画なのに何だか同じリズムが続いてる感じするなあって、考えてみたら監督同じでしたね。で、調べてみたら「セックスと嘘とビデオテープ」がソーダバーグさんのデビュー作なんですね。何だか得体の知れない新しいトレンドの始まりを象徴するような変な映画で、(新時代に自分が)ついていけるか自信ないなあと不安に思ったことをよく覚えています。

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