だいたい一月前に「見ざる聞かざる」というタイトルで昨今のコロナウィルス騒動についての記事を書いた。実は騒動については全体としてもっと楽観的に捉えていたのだが、目論見は外れた。正直に言うと少々「怖い」。
現時点では、ウィルスよりも人間の方が怖い。拳銃と食べ物と薬のどれかひとつを選べと言われたら、おそらく銃を選択すると思う。後になってこのブログを読み返して「バカなことを」と笑えるようになることを祈るしかない。
今やウィルスは世界中に蔓延して、まるで悪い夢を見続けているような状況だ。悪影響が僕のような社会からほとんどドロップアウトしたような人間にもひたひたと押し迫って来ている。
アメリカDJツアーの日程はすべて延期、もしくは中止になった。現地の温度の急降下が怖い。ほんの1週間前までは「いくつかのショーは中止になるかも知れないね。」ぐらいのムードだったのが、現在では「もし生き残れたらまた仲良くしようね。アデオス!」みたいな感じになっている。
東京でのDJの機会もほぼ消失した。もともとほとんど仕事が来ない状況だったから、今後のことを考える良い機会になったかも知れない。
反面、我が日本国民は自粛モードに飽きたらしく、街に人が戻り始めている。実際に目にしたわけではないが、花見や酒場は例年よりも盛り上がっているようにすら感じる。赤信号はみんなで渡れば怖くない。
もともと「引きこもり」と言ってもよいような生活をしているので、自宅でいることそのものはさほど苦痛ではない。「何もしない」ことは私の特技で、思えば数年前の入院生活も非常に有意義なものだった。自分が社会に何ひとつ貢献できていないことを常に恥じているが、今は堂々と「何もしない」でいられる。
2020年3月23日。私の憂鬱は私の中にある。つまり私は「まだ」このウィルス騒動を楽観的に捉えている。
この記事は何も伝えていない。この異常事態において、現時点での自分の立ち位置を記しておいた方がよいような気がして書いた。