ジョジョ・ラビット:注/ネタバレあり

映画「ジョジョ・ラビット」を観ました。まず、この映画は前情報なしに観た方がよい作品と思うので、もしまだご覧になってなくて、観ようかなと思っている方はこの先はお読みにならないことをお勧めします。有名人のコメントとか映画のレビュー記事とか何も知らずに観た方がよい。

それを踏まえて、劇場に行こうかどうしようか迷っている人には自信を持って足を運ばれることをお勧めいたします。

さて、ここから先は観られた方と感動を共有したく、感想を少し。まず僕はこれを「戦争映画」だと思いました。

僕はもう戦争映画観たくないんだよね。プラトーンとかランボーとかあの頃は平気だったんですけどね。1965年の日本に生まれて育って、戦争というのはどこか遠くの国の話で自分とは関係ない。非現実的な事象だと考えていたのだと思います。年を重ねるごとにだんだん人ごとじゃないってことがわかってきてね。人と人が殺しあってるの見るのも普通に嫌だし、アメリカの戦争映画なんかはナショナリズム育てるためのプロパガンダみたいにも感じるしね。

なので随分と長い間、意図的に戦争モノから遠ざかっていた。

でも、やっぱり観なきゃいけないんですよね。世の中には目をそらしてはいけない物事がある。ナチスドイツのユダヤ人迫害なんかね。もう見たくも知りたくもないんですよ。できればすべてなかったことにして忘れ去ってしまいたい。でも、それじゃいけないんだと思います。そしてそれがそのままこの映画の製作者のメッセージだと僕は感じました。

本当はもっと戦争の悲惨さをガチで訴えたかったんじゃないのかな。だけどそんなもの、誰も見たがらない。だから敢えてコメディー映画のセオリーを取り入れた。ナチスがテーマらしいけどコメディーなら観てもいいか。つって劇場を訪れた観客、すごく多いんじゃないかと思います。実際、僕の隣の席の人なんかも笑う気満々で来てて、冒頭のたいしてそこまでおかしくもないところで大声で笑ってみたりして(ちょっとウザかったです。)、途中で笑えなくなって、帰りは静かになってましたけどね。

なので、「やられた!」というのが、感想です。

そしてもうひとつは、やはり「音楽の力」ですね。あれはズルいと言うか、今、思い出しただけでも涙が出てきそうになります。

僕は実はデヴィッドボウイの音楽があまり好きではないんです。僕のまわりの音楽好き人間の間では概ね「デヴィッドボウイは偉大だ素晴らしい!ハイルヒトラー!」みたいなことになっていて、まあ僕もそんなことで迫害されてもしょうがないから黙ってるんですけど、正直デヴィッドボウイの音楽が何でそこまで評価されるのかよくわからない。

だけども今回、なるほど、彼の音楽はこういう風に人の胸の中を突くんだなというのがわかって、みなさんの気持ちが少し理解できたような気がしました。

話はそれますけど、嫌いな音楽がはっきりしているというのはDJとしてはよいことだと思っています。違いがわかってるってことだからね。逆に「音楽は何でも好き」みたいな人の言うことはどうも信用できないよなあ。

映画っていいなあ。

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