存在の耐えられない軽さ

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2017年の夏に我が家にやってきて、無事に冬を越し、どんどん増殖して、ひと安心と思っていたところ、ひとつひとつと枯れていって結局全滅した多肉植物。結局1年もたなかったわけだ。多肉はほどよく放っておくのがよいと聞く。愛情が重過ぎて耐えられなかったのだろうか。いらぬ愛に押しつぶされる苦しさはわからんでもないが、何も死ななくともよいのにと思う。

と、思っていたら、生きていたのだ。出窓に置いてある他の植物の植木鉢の影でひっそり、土もなく1滴の水も与えられない環境で人知れず越冬し、春先に小さな分身らを携えた状態で、発見された。いくら何でもそのまま放ったらかしにしておいては枯れると思い、ひとまず土の上に置いてみた。愛情が苦痛にならぬよう、見てみないフリをするよう努めているが、まあかわいいものを見てかわいいと思ってしまうのはしょうがない。心までは詐れず、時おり水を与えたい欲求に駆られてしまう。

ふと、存在の耐えられない軽さ。というタイトルの映画があったことを思い出した。ダニエル・デイ=ルイスが主演で、特に映画通の間で高い評価を受けたと記憶しているが、若かったせいか、今ひとつその良さが理解できなかった。断片を頭の中に浮かべてみるに、おそらくとても良い映画だったのだと思う。今観たらきっと楽しめるような気がする。何で突然その瑛のことを思い出したのか、隠れるようにして冬を越した多肉植物との関連性が判明するかも知れない。

*春先に書いた記事に加筆した。

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