盗人の美学

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キーボード:KORG microKEY25

「DJは演奏してはいけない。」というのが私の理念のひとつである。楽曲があり、オーディエンスがいる。その間をつなぐのがDJ。「演奏」は熟練を重ねたミュージシャンに与えられた特権、あくまで作られた楽曲を人様に届けるのがDJの役割である。そこをはき違えてはいけない。

切ってもよい。つなげてもよい。逆回しにしても、エフェクトをかけても、めちゃくちゃにして他の曲に作り変えてしまってもよい。だけれど、自分で演奏するのだけはダメだ。

例えば、いい感じのドラムセットをサンプリングしてループさせ、そこにベース音を加える際は、わざわざ何枚ものレコードを聴きまくって、音階やBPMの合うベースラインを見つけて切り取り、加工して貼り付ける。自分でベースを弾いてしまえば数分で済む作業を数時間、場合によっては何日もかけて行うわけだ。

「私の店には盗んできたものしか売っていません。」盗人の美学とでも言えばよかろうか。

新しく楽器を購入した私はもはや盗人ですらない、私の活動名であるDJ MACROMANCEから「DJ」の文字が消える日もそう遠くはないかも知れない。

 

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