湯屋の音楽

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ゴールデンウイークは前半が都内でDJ、後半は妻の実家のある静岡県で過ごしています。地方を訪れる度に、感度の合うお店や人との出会いがあって、本当にいつも刺激を受けます。東京のちっぽけなエリアの中だけにいて、わかったような顔をして偉そうにしている自分の態度を反省する機会でもあります。

今回も、美味しいコーヒー、エレガントな植物、洒落たベーカリーなどを発見しましたし、写真のD&DEPARTMENTの静岡ブランチにも初めて行くことができ、充実の小バカンスになっています。中でも印象に残ったのが、渋滞を回避するための時間調整に立ち寄った静岡市内のスーパー銭湯でした。

清潔でお湯もよく、スーパー銭湯としての設備やサービスもじゅうぶんに満足できるラインをクリアしていると思いましたが、音楽に対する配慮が特に素晴らしかったです。館内には仮眠や食事の他に読書やインターネットなどを楽しみながらリラックスできるスペースが確保されていて、その中にミュージックサロンとでも呼ぶべきエリアがあります。壁や仕切りのない開放的な空間にソファやローチェアが無造作に置かれ、RAMSAの巨大なスピーカーからちょうどよい音量で心地のよい音楽がゆったりと流れていて、お湯から上がったお客らがガウン姿でゴロゴロくつろいでいます。

これぞまさにチルアウト。

音質が非常に良く、音ひとつひとつが「立っている」という感じ。特にベース音の出方が絶妙で本当に気持ちがよかったです。純粋にこの音環境でDJしてみたいと感じましたし、やはり音楽はよいシステムで聴いてあげるべきと改めて思いました。音源はおそらくiPodなどのランダム選曲か、あるいはUSENだと思いますが、その楽曲と流れがまた素晴らしくてちょっと凹みました。ゆるめのブレイクビーツ、アンビエントなジャズ、慎ましげなエレクトロ、、このところの僕の好みと完全に一致します。自動操作でこれができるのなら、もう僕のようなDJは必要ないかな、と。

あるいはスタッフか関係者に音楽に詳しい人がいて(スピーカーの設置の仕方から想像するにきっといるのでしょう)選曲もその人が担っているのかも知れません。それはそれで僕からすると嫉妬の対象になるのですけど、とにもかくにも日常社会におけるDJの役割、その可能性にもっと広がりがありそうだという事実を知って嬉しく思います。

ちなみに時間帯は日付変更線を周辺の深夜でした。そこまで大音量ではなかったけれど、防音設備が整ってるわけでもなく、地下でもなく、東京だったらすぐさま苦情が来ちゃうでしょうね。地方でしかできないクリエイティブなものごとは他にもいろいろあるような気がします。

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