ヴィムヴェンダース最新作「アランフエスの麗しき日々」を観ました。「こういう映画もなくっちゃね。」というのが感想。
こっから先はまあ個人の備忘録的に。
眠っている人の頭の中に入り込んで、その人が見ている夢をリアルな体験として自分の頭の中に投影する。ちょっとややこしい表現ですけど、他にどうやって伝えたらいいかわかんない。
映画館を出る時、長い夢と眠りから覚めたような感じがするのですけど、香りや温度、皮膚を撫でる風の触感までをも体が覚えていて、現実と思考、感覚をつなぐ軸がぐらぐらします。そして直後にボロボロと涙が溢れはじめて止まりません。何だこりゃ?何で泣いているのか自分では理由もわからないんだ。
映画を観る前と後で世界の景色が全然違って見える。という意味ではタイのアピチャートポン・ウィーラセータクン監督の作品にも似た要素と効果を感じました。いずれにしても「映画」、進化していますね。
前半少し眠くなりますが、たぶんこれも計算内。途中にちゃんとアラームクロックが仕掛けてありました。
ルー・リードの「Perfect day」、ニック・ケイブの「Into My Arms」が、ただのBGMとしてではなく重要なパーツとして使われていました。個人的にもとても思い入れのある二曲で、これはたぶん偶然ではなくて、まあ僕がいかにヴェンダースに影響を受けてものごとに取り組んできたかということだと思います。
ジム・ジャームッシュをはじめ、クストリッツァ、ホドロフスキー、カウリスマキ、、好きな監督が大活躍の映画当たり年(個人的にね)となった2017年。最後の最後にいちばん凄いのに出会いました。
映画っていいなあ。