“MANCHESTER BY THE SEA”を恵比寿ガーデンシネマで観ました。
お客さん、全体で10人ぐらい、何故か最後列に集中。僕自身もそうなのですがミニシアター的な劇場では一番後ろの席(のしかも端っこの方)を好む客が多いように感じます。
率直な感想としては、きっと美しい映像と役者の演技力を見せたかったのかなと思いました。アカデミーで脚本賞を取っているらしいけど、ストーリーはあまり好きじゃないな。主人公に胸の内に秘めた重苦しさを演じさせるために、わざわざわかりやすい事件をこしらえたよう見えて途中でちょっと白けてしまいました。「死」そのものをテーマにした作品であれば話は別なのですけど、装置として安易に「死」を使うのはオールドファッションだし、だいたい観ていてあまり気分がよくありません。
とはいえ、やはり役者の演技は圧巻で、久しぶりに主人公に乗り移られる感触を得ました。帰りの電車とかもうどよーんとしちゃって、途中で買ったビールの味も最低、この日は風呂も入らずにさっさとベッドに潜り込んでしまいました。一晩寝て起きたらいやーな部分はもう体の中にはなくて、美しい港町の映像が頭の中でゆらゆらと揺れています。うーん。もしかしてタイトルコールのあのシーンがこの映画のパンチラインだったかも?
そうそう、マンチェスターと聞いて、てっきりイギリスの話だと思っていたら、バリバリのアメリカ英語だし、実はアメリカが舞台だとわかるまで少し時間がかかってしまいました。