映画 ”The First Monday in May”(邦題:メットガラ ドレスをまとった美術館)を文化村ル・シネマで観ました。ファッション、アート系のドキュメンタリー映画はだいたいどれも同じセオリーを踏んで作られていることが多く、意地悪な言い方をすれば、観る前から内容はだいたいわかっています。それでももちろん見どころは各所にありますし、作者からのメッセージを発見する喜びやドキュメント作品ならではのリアルな感動を求めて、年に5本ぐらいは観てしまいます。僕はハードな映画狂ではなく、わざわざ劇場まで足を運ぶのはせいぜい年間50ぐらいですから、10本に1本はこの類な計算になります。けっこう好みの分野と言ってよい。
今回もたいして期待もせずに、雨の渋谷まで行ったわけなのですが、結論から言うと、いやはや想像以上にすごくよかったです。イベントそのもののスケールが壮大なのが一点。そして何と言っても登場人物のキャラクターの豊潤さが一般的なドキュメント作品から逸脱しています。衣装、セリフ、表情、身のこなし、、どれをとっても演出がかかっていないとは思えない。
たいした事件が起こるわけではないのですが、スピーディーでハラハラさせる展開で飽きさせず、被写物の美しさやセンスのよい音楽もあいまって非常に満足度が高い作品だと感じました。
イベントの映像を担当した映画監督のウォンカーウァイがいい味出してたなあ。場外馬券売り場とかにたむろしてるおっさんみたいな風貌なんだけど、終始無口も、たまに喋るセリフがとてもバランス感覚に優れていて、こういう風にものを話せるようになりたいなと思いました。あと、エンディングロールの最中だったけな、最後の方にスパイクリーが写真の中で一瞬だけ登場するんですけど、その1秒にもグッときました。
映画っていいですね。
この文章の勢いが久々な感じがします。乗ってきましたね!
あら、ありがとう!