ちょっと用があって千葉県の佐倉市に。佐倉は僕の母方の出身地である成田のおとなりの市ですが、いつも高速道路で通り過ぎるだけで、足を下ろしたことは一度もありません。滞在時間は2〜3時間ってとこですが、今の時代は2時間もあればできることがたくさんあります。さっそくグーグル検索で午前中(朝10時ぐらいでした。)から営業しているカフェを探しました。民家を改装したというお店が一件ヒット。ナビに連れていかれたのは大通りから裏に入った農道。こんなとこに店あるんかいなと不安になってきたあたりに、ありました。
カフェというか、お店の半分が作業場になっていて、女性の方がスコーンやシフォンケーキなどのお菓子を作っています。小さなアンティークのショーウインドーもあって、焼きたてのお菓子がかわいらしくディスプレーされていました。
建物は古いと言っても昭和ぐらいのものかなあ。田舎でよく見かける普通の民家です。ガチのリノベーションじゃなく半分手作りみたいな感じのユルい改装が好印象。カフェスペースはテーブル3台。広くとられた窓からは畑が見わたせ、惜しみなく降り注ぐ陽のおかげで店内は暖房いらず。計算されつくされているのか、適当に集めたのか、不揃いの家具たちの配置と動線の取り方は完璧。カントリーっぽいBGMが心地よく、思わず長居してしまいたくなります。リラックスしながらもどこかクリエイティブなムードは僕にはどストライク。タイプはぜんぜん違うけどダダティークの空間が好きだった人にはきっと気にいるんじゃないかと思いました。
コーヒーを注文してしばし宇宙の旅へ。こういう時間は思考の点滴みたいなもので、僕にとってはとても重要。海や山の自然からもたくさんのエネルギーをもらえますが、人が作った空間が発するヴァイヴはまたそれとは違ってパワフルでスペシャルです。
しかし、この日の僕はセットアップのジャケットとパンツ、ハット、上から下まで黒づくめ。おまけに店の中明るいからサングラスはずすの忘れてて、そんな風貌のアヤシイおやじが平日の朝っぱらから店の真ん中でどっかの世界に行っちゃって固まってピクリとも動かず、後で思ったんですけどお店の女の子をちょっと怖がらせてしまったかも知れません。お会計の時、ちゃんと笑顔でスタンプカードまでくれたから、まあたぶん大丈夫だったと思うけど。
写真の左奥が養鶏場になっていて、こちらでとれた卵をお菓子に使っているようです。いただいたプリン、濃厚で美味しかったです。コーヒーも「今」のテイストでしっかりトレンドを踏んでいるあたりもあなどれません。営業は金土日の週3日オンリーなんだそうです。そういうところもいいよね。