内房トリップ

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千葉の海にはサーフィンでほとんど毎週訪れていますが、地元を観光する機会はあまりありません。美味しい食べ物とかめずらしいスポットたくさんあるはずなんですけどね。もったいない。

なわけで、今回は千葉の海をサーフィン抜きで訪れてみました。行き先は千葉最南部の館山。先に全体の感想を言うと、何だか「島」に来たみたい。どこに行っても海の匂いが感じられて、東京と陸続きであることを忘れそうになります。

千葉県は東西南北に広く同じ県でもけっこう文化にちがいがあることを改めて認識します。まず植物がちがう。車の窓から見える緑は見慣れた杉やヒノキではなく、南国調の亜熱帯植物。街のイメージ作りに意図的に植えられたヤシの木などの影響もあるでしょうが、普通にその辺に生えている雑草なんかを見ても、やはり東京の空き地を占領しているイネ系の草とはちょっと雰囲気がちがいます。

僕の母親は成田市出身なので僕はハーフ千葉県民ということになるのですが、ご存知成田には海がなく、海鮮料理の文化がありません。(こんなことを言ったら成田のお寿司屋さんに怒られてしまいそうですが)成田で美味しい寿司屋に行ったこともないよなあ。実際、母の話を聞いても子供の頃に刺身などを食べた経験はなく、たまに行商がアジやイワシの干物を売りにくるぐらいがせいぜいだったそうです。ま、戦後のモノがない時代ということも関係しているとは思いますけど。

そのかわり、成田には鰻や鯉などの淡水魚を食べさせる良い店があふれるほどあります。利根川と印旛沼がありますのでね。先日、印旛沼の近くにアメリカザリガニを食べさせる店を見つけて、今からそこに行くことを楽しみにしています。一般でわりと敬遠されがちな泥臭い食べ物が好きなのは、僕の中に流れる成田の血のせいかも知れません。

そうだ、館山でした。

館山を訪れた観光客が必ず足を運ぶスポットがこの大福寺。崖観音と呼ばれるように山の中腹の崖に張り付くようにして建てられた空の寺です。何で人間はこんなことを考えるんだろうと思ってしまいますが、まあ、どの時代にもおかしな人がいるってことなんでしょう。

写真で見るとたどり着くまで相当険しそうですが、実際は階段を使って大人の足なら5分ぐらいで登ることができます。登山とかその気になってると物足りないかも。みやげ屋やお茶屋などもなく、人もおらず、「どうぞ勝手にお参りしてくださいまし」という感じ。ドライブ途中にちょこっと車を止めて仏さまに手を合わせに行くぐらいの規模だと思います。お寺のデッキからは美しい内房の海を眺めることができます。街に「高い所」があまりありませんので、ランドスケープ好きな人にはいいかも。

街そのものはけっこう元気がありそうですが、観光地としてはやはりちょっと寂れてる感は否めません。(これは僕の好みと完全に一致します。)そのせいかシーズン中だというのに、今や日本中にあふれている海外からの観光客の姿はほとんど皆無と言ってよいぐらいありません。おそらく都心からのアクセスの悪さもあるでしょう。おもてなしモード全開の観光地にへきれきしている旅人、地元の人のゆるい生活の中に静かに足を踏み入れるような旅が好みの人には、ここ館山にとてもよい時間があるように感じます。

内房の旅のお話、もう少し続けますね。

 

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