THE POET SPEAKS

thepoetspeaks3ちょっと前ですけど、生誕90年となるギンズバーグのポエムを80歳になるフィリップグラスが弾くピアノに合わせて70歳のパティースミスが読む。という公演に行ってきました。ついで(というかこっちがメインという人が多いかも)にベストセラー作家の村上春樹とアメリカ小説翻訳第一人者の柴田元幸がポエムの翻訳を担当。日本語に訳された言葉がステージ後方にスライドショーで流されるという好きな人にとっては何ともゴージャスな内容。

会場にはビート文学、現代音楽、パンクロック、そして村上文学に影響を受けた(たぶん)人たちが集まってくるはずで、どんな雰囲気になるのかけっこう楽しみにしていたのですけど、実際は何のことはない、あまり特徴のない普通の人がほとんどで期待外れでした。前にテリーライリーのコンサートに行った時は上から下までGANRYUっす、みたいな若者がたくさんいて、今どきの若者は現代音楽なんか聴くのかとけっこうびっくりしたんですけどね。

フィリップグラスのピアノを2時間も聴かされては、さすがに眠り込んでしまうにちがいないと思って、ビールも飲まずに会場に入ったのですが、結論から言えばやっぱり本物は凄い。とても寝るどころではありませんでした。特にフィリップグラスの例の「たららららら」ってアルペジオを生きているうちに本人の演奏で聴けるとは。感動してもう少しで泣いてしまいそうになりました。ピアノはちゃんと弾けてなかったですけど。まあ、そんなことはどうでもいいんだ。そしてパティースミスの圧倒的な存在感、ど迫力の朗読もすごかった。村上春樹の翻訳もよかったです。

ショーの半分がピアノと朗読で、残りはパティースミスのアコースティックライブって構成だったんですけど、正直行ってライブの方はいらんかったです。まあ、多くのファンはパティースミスが歌うところを観たかったんでしょうから、そういうものなんだと思うのですけど、僕としてはポエトリーリーディングの方でじゅうぶん満足だったのでちょっとTOO MUCHに感じました。うなぎ食べてお腹いっぱいのところに寿司が出てきちゃったみたいな。寝てもいいからフィリップグラスのピアノを聴き続けていたかったです。

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