ネタバレするのが嫌で最近は買ったレコードをブログなどにアップするのを控えていたのですけど、今日ばかりは自慢せずにはいられません。
中古レコード屋のエレベーターが開いた正面の新入荷コーナーの1番前にストックされていて、目が合ってしまいました。まあまあすごい値段がついていたのですが、ちょうど半額セール(中古品に半額もへったくれもないと思うのですが)をやってるってことで、少しだけ迷って買いました。中身というか、音そのものは、まあ何ていうか僕のような低俗な人間にはただのノイズにしか聞こえませんが、そんなのはどうでもいいことで、ジョンケージのレコードをアナログ盤で所有しているということに意味があるわけであります。
さておき
レコード盤とは別に茶色く日焼けしたノーツが入っていまして、最初、アルバムのキャプションと思ったのですが、それにしては統一感がなく、紙の質もバラバラです。よく見ると、どうやら雑誌からの切り取りであるらしい。TIMEとかHarper’sなどの雑誌に寄稿されたジョンケージに関する記事をあっちこっちから集めてきたようです。さらによくチェックしてみれば、それらの記事が全て同一人物によって書かれていることが判明。と、するとだな。このレコードの元の所有者は、記事を書いた張本人である可能性が高い。
当然、それって誰?ってことになります。んで調べてみました。ハロルド・C・ショーンバーグ。何と、音楽評論家として初のピュリッツァー賞受賞者。まあ正直、ハロルドさんがどんな方だかよく知りませんがね。60年代のクラシック音楽業界にある程度の影響を与えた人物であることは確かなようです。偉大な批評家の(おそらくは)書斎にストックされていたであろう1枚のレコードが、時空を超え、彼の言葉と共に今、僕の元に届いたと思うと、もうこれは昼間からビールの栓を開けずにはいられません。
ピース