空港の真横に位置するこの土地は名目が「畑」となっています。これがやっかいな代物で、「畑」は原則として所有権の移転ができない、と農地法で定められています。更には「畑」を田畑以外(例えば家を建てるなど)に転用することも禁じられています。更に更に、「畑」を土地の所有者以外の者に貸すこともダメ。売るのはダメ、貸すのもダメ、家を建てるのも駐車場にするのも全部ダメ。土地の所有者が田畑として自分で使う他は全部ダメ。自分の土地なのに自由にできないという理不尽なルールに縛られているのが「畑」です。
おそらく元々は、農家と農地を守るための法律だったのでしょう。時代の変化に法律がついていってない、ひとつの例だと言えるんじゃないでしょうか。
実は畑を雑種地(つまり普通に家などを建てられる)へ転用する方法はないわけではありません。それについては別の土地で実際に手続きをしたことがありますので、またそのうち話題にするかも知れません。(この手続きがまた鬼のように面倒なものでした。金もかかります。)
仮に雑種地への転用が認められたとしても、そこに家屋を建てるのは現実的とは言えません。おそらく空港の方から別のしばりが出てくるでしょうし、だいたい朝から晩まで爆音で飛行機が行き来する場所ではとても生活できないでしょう。
自分で土地を耕して、畑として利用するのが最も手っ取り早いのですが、アナーキー1、でも申したとおり、自分の土地なのに自由に入れない特殊なエリアです。それに名目は「畑」でも実際は「山」の一部。木が生い茂り地面はでこぼこ、とても作物を育てられる環境ではありません。
利用価値がないのでずっと何十年も放ったらかしになっていたのですが、それでも固定資産税の請求書は毎年しっかりやってきます。
写真:「畑」の真上を飛行機が行き来します。テロリストだったら喜んでこの土地を引き受けたかも知れません。