映画 “Magic In The Moonlight”(邦題:マジック・イン・ムーンライト)を渋谷の文化村ル・シネマで観た。簡単に説明すれば中高年のおっさんが若くて美しい女性に恋をするという話。監督、脚本がウッディアレンともなると、まあなかなか文句は付け辛いが、正直に言えばおじいちゃんの浮かれた妄想はちょっと気色悪い。
ヒロインの女の子がそれはもうチャーミングで、ストーリーが展開するごとに主人公と一緒になって彼女に心を奪われてしまうようにできている。うまい。おじいちゃんの妄想はパワフルだ。
ヒロインのお母さん役がキム・ベイシンガーで、これがハマり役。10年ぐらい前だかエミネムの母親役を演じた時にも、その変貌ぶりにショックを受けたもんだが、今回、更に年を召して貫禄が増大していた。ダメ母親みたいな役をやらせたら彼女の右に出る者はいないと思う。
南仏の美しい風景、アンティーク調のコスチュームやクラシックカー、建物、ガーデン、インテリア、目に入るものすべてが美しい。音楽もいい。
誰も死なない。セックスのシーンもない。泣かせる場面もない。どんでん返しもない。(あるけれど最初からバレバレ、それも計算のうちだと思う)ゲラゲラ笑うシーンもないけれど、クスクス笑いがあっちこっちに散りばめられている。
「おじいちゃんの浮かれた妄想」に1800円。ま、いいか。
P.S 先日観たばかりの「ディオールと私」の予告ムービーが流れ、思い出してまた泣きそうになった。