レコードプレイ for Bim Bam Boom Sessions vol.6

絶好調のBim Bam Boom 6回めとなるライブでDJ。会場はお馴染み西麻布新世界。選曲は毎回本当にいろいろなことを考えるが、今回は特に頭を使った。結果的にはちょっと考えすぎたかも知れない。

ライブは2幕に分かれていて、前半のゲストに「ものんくる」の吉田沙良、後半にエスケン、さらにMCに掛け声男ナカオーウェンを採用したエスケンラウンジの番外編とも呼べる内容。

ライブ前にナカオーウェンが登場して少しトークを展開してからBBBのメンバーを呼び込むという演出。選曲サイドからすると、ここが最も重要な場面となる。本番前にこのポイントのリハーサルを行うことになった。

ちょっと前に偶然手に入れた、フランス版のエレクトロスウィング、作者不明、謎の7インチレコードがあって、ナカオーの登場には絶対にこの曲を使うと決めていた。アップテンポで洒落乙ながらもコミカルなサウンドで、ナカオーウェンのキャラクターにとても似合う。

本番でバッチリ決まる自信はあったが、音楽は水物で、その場面場面で同じようには鳴ってくれるわけではなく、特殊な空気が流れているリハーサルの環境で、僕が求める効果をもたらすかは不明。このタイミングでNGが出たらさすがに本番で使うわけにはいかないので、ここは敢えて隠しておいた方が良いような気がした。ただ確信犯ではなく、その場で「何となくここで出さない方がよいような気がした。」だけのことなので、代わりの見せ球を用意していたわけではなく、さあ、リハーサルやってみよう。となった時にかけるレコードが決まってなく、適当にターンテーブルに置いたフェラクティは案の定すぐにNGになってしまった。で、苦し紛れに前日手に入れたばかりのキングカーティスを置いてみたらこのムードがナカオーのトークにうまく絡む。

数日前にエスケンと会った際にキングカーティスが話題に出たのをしっかりチェックしていて、急遽入手していたのだけど、自宅で聴いていた際に、どうしても耳が金属製の木管楽器音に引っ張られるのが気になっていた。つまりライブには前田サラのサクソフォンが登場してくるわけで、これからチョコレートケーキを食べようというのに、その前にわざわざチョコレートクッキーを食べさせるような状態になることを危惧して、ライブ直前に使うべきではないと判断していたわけだ。ところが実際にかけてみると、ナカオー野太い声のバックで、すべてのサウンドがいい感じに埋もれ、木管楽器の音うんぬん関係ないレベルでうまく融合。結局キングカーティスのおかげで、リハーサルは上々の出来で無事終了した。

リハ中の思わぬアクシデント?により、ナカオーウェンの登場シーンは二分割で演出することに決めた。すなわちアップテンポのエレクトロスウィングでナカオーを呼び込み、トークがスタートしたらスローテンポのキングカーティスに切り替える。この落差を当初ボリュームコントロールだけで行うつもりでいたことを考えると、こっちの方が格段に良い。実際、どちらの音源も想定以上にうまくハマったと思う。本番では更にトークのテンポに合わせて、セロニアスモンクも導入。人をおちょくってるかのようなモンクのピアノの音はすべるかも知れない危ういトークの裏手でよく映えた。

ライブ前の客入れ時、15分の休憩時間、ライブ後の客出し時、と、ドアオープンからずっと、バンドが演奏していない時間帯は基本的にずっと僕の選んだ音が会場に流れていることになる。

前回、ライブ後にちょっと調子に乗りすぎて神さまに怒られた(針が壊れた)経緯があり、今回、ライブ後はクールダウンに徹すると決めていて、これはまあうまくいったと思う。チルアウトなムードはもともとが得意分野だ。

一部と二部の間の15分休憩に設けられたDJタイム。ここがある意味DJの腕の見せどころなのだけれど、冒頭でも言ったように、ちょっといろいろ考えすぎたかも知れない。肌の感覚にまかせて、もっと自由にやってもよかったと思う。今回「ラスベガス、はたまたモンテカルロ」という明確な選曲テーマが主軸にあって、それにこだわりすぎたかも。マックロマンスのキャラクターを買われてDJに起用されたわけなのだから、テーマから多少逸脱したとしても、自信持ってマイカラーを前面に出すべきだったか。(ま、結果的にはずいぶん脱線したのだけど。)

ドアオープンから最初の30分ぐらいのお客の少ない時間帯が何気に面白かった。通常はライブイベントの客入れ時に流れている音楽なんて誰も気にしていない。でもこの雰囲気は何だろう?たぶん、ひとりで来場している人が多く、話し相手もいないし、手持ち無沙汰なのだろう。お客さんたちが、けっこう意識的に僕のかける音楽を聴いているのが伝わってきた。レコードに針を置く度に、「ほおー」とか「それで?」とか「ははーん」とか、お客の心の声が聞こえてくるような気がして、まあ何というか少し怖かった。

そんな僕の葛藤もお客さんの記憶には残ってはいまい。BBBが登場して最初の音が鳴った瞬間に、それまであった出来事なんぞはすべて吹き飛ぶ。今回も、本当に凄まじいライブだった。フェラーリのエンジン積んだ軽自動車にぎゅうぎゅう詰めになって、テキーラ回し飲みしながら町中を暴走してるみたいな感じ。そうそう、たぶんクウェンティンタランティーノがBBB観たらたぶん気に入るんじゃないかと思う。彼に「いい情報ありまっせ。」と、教えてあげたいがどうやって連絡取ればいいやら。

今回からメンバーの立ち位置が変わり、ドラムがステージ上手にセットされていた。ちょうどDJブース横の位置だったので、山口美代子が叩く圧巻のリズムを目の前で体感させてもらえたのは役得だった。個人的な好みとしては、このままこれぐらい小さなハコで演奏し続けて欲しいが、そうも言ってられないだろう。ま、大きなハコで聴いたらどうなるのかも興味はある。

「自分のプロデュースしてるバンドと一緒に歌えるなんて、嬉しいねえ。こんなに嬉しいことはない。」

エスケンがトーク中にぽろりとこぼしたセリフが胸を打った。それからゲストの吉田沙良が声でも歌でもパフォーマンスでも存在感を見せていた。我らがナカオーも事故ることなく、無難に業務を遂行していた。うまいことやりやがって、スベるところを見に来たお客には期待はずれだったかも知れない。僕の選曲は、60点というところだろうか。まだまだ修行が足りぬ。と言うか、やればやるほど難しくなっていく気がする。

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