DJでは、これまで「躍らせる選曲はしない。」と公言してきたけど、エレクトロ・スウィングという音楽の存在を知って考えが変わった。いやはや、これは、ぜひ「踊らせたい」。
恥ずかしながら、こんなにかっこいい音楽があるとは全く知らなかった。いや、耳にしたことはあっても興味を持たなかっただけかも知れない。DJをやるようになって、音楽の聴こえ方が前とは全く違うようになった。
発祥が03年とも05年とも言われているエレクトロ・スウィング。とっくにアナログレコードが廃れた後に登場したジャンルだけに、レコードの音源が少ないのが辛い。先日DJブースでご一緒させていただいたK氏はヨーロッパのレコードショップから取り寄せているそうだが、最初からCDやデジタル音源のみでしかリリースしていない楽曲も多く、アナログレコードオンリーを掲げる立場からすると、CDやPCでDJする人たちには、まず素材の時点でかなわない。
そして、エレクトロ・スウィングなら何でもよいというわけではない。ひとくちにエレクトロ・スウィングと言っても、限りなくハウス・ミュージックに近いものから、ほぼスウィング・ジャズそのものなもの、ヒップホップやその他の音楽の要素を融合させた、より新感覚のものなど多種多様。CDショップでも数多くのアーティストの作品を手にいれることができるが、その中で本当にしっくり来るアーティストや楽曲は数少ないのが実情だ。
そんなわけで、よい音源をどうやって手に入れるかが現在一番の課題。頼みの綱のGoogleも今のところあまり役に立っていない。イベントやクラブなどでDJをする機会があったとして、仮に1時間枠をひとりで埋めることを考えると、最低でも50枚ぐらいのレコードのストックが必要になる。やっと最初の2枚をようやく手に入れることができた。先は長い。