ハレルヤ

渋滞の中原街道を抜けてハイウェイに入り抜いたり抜かれたりしながらここまで来た。ラジオが株価の下落を伝えていた。近く、経済の動向に左右されないライフスタイルがパッケージになって売り出されるだろう。夢のような生活に市民は一同一喜するだろうが、やがてそれがまやかしであることに気がつき、狂人になる者、首を吊る者、ギターを片手に大声で歌う者、しかし多くは何もなかったかのごとくネクタイをしめて満員電車に乗り込むことだろう。そんなことを考えながらここまで来た。90年代ジャズのトーンで男がsingin’ in a rainを歌っている。まさか本当に雨がふっているとは、当の本人も知るまい。その雨は秋で、朝からふったりやんだりを繰り返している。路肩の風になびくススキを見て、ああ秋なんだなと、きっとあの丘にはコスモスが咲き乱れているに違いない。そんなことを考えながらここまで来た。ダッシュボードの温度計は17℃だった。最近電気系統の調子が悪いから信用できるかはわからない。おや?女がレナードコーエンを歌い出した。そう信用できない。待てよ、時計の方は大丈夫か?大丈夫。間違いない。でもそろそろ行かなきゃな。いつものパーキングエリア、いつものコーヒーショップ、いつものテーブル。ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ。

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