シラフ寝

午前8時。蝉が鳴きだした。腫れたこぶしがズキズキと傷んでいる。そうだよ。オレは朝からかき揚げうどんを食べた。桜海老のかき揚げだ。気分が落ち込むくらい強い冷房が効いていた。食券は270番だった。不機嫌なナンバーだ。ああ、そうだよ。オレはきのうアルコールを抜いた。冷蔵庫のキンキンに冷えた缶ビールをシカトしたんだ。チーズのかけら。ピクルスの瓶。トマト。とびきり上等のトマトさ。小ぶりで、皮に張りがあって、濃厚で、甘い。すりおろした岩塩かけて食べたんだ。ポールサイモン。ミルクティーを飲んでいる。温度の配分を間違ったせいで少しぬるい。でもそれはオレのせいだ。ああ、そうだ。そうだよ。すべてはオレのせいさ。きのうはシラフで4時間半寝た。一睡もしてないさ。でもオレは決めたんだ。絶対に目を開けないってね。目を閉じてさえいればカラダは寝てると思いこむんだ。バカなんだ。オレはきっかり4時間半、ベッドの中にいた。目を閉じてね。4時間半さ。アラームが鳴る直前にオレは目を開いた。歯を磨いて顔を洗った。仏壇に線香を上げ、こぶしに薬を塗り、抗生物質を飲んだ。それから少ししてロキソニンを飲んだ。ラジオを聴きながらハイウェイを飛ばしてここまで来た。これからどこに行くかって?そんなことわかるわけがない。オレにわかるのはきのうからオレがずっとシラフだってことだけだ。いつものパーキングエリア。いつものコーヒーショップ。イングリッシュ•プレクファスト•ティ356円。

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