女優の名前がどうしても思い出せない。まあいいや、その女優とマットデイモンをファミリーレストランに連れて行ったら思いのほか喜んでいた。普段から付き合いでホテルのレストランなんざ飽き飽きしてるんだろう。その調子で地下鉄に乗せてみたが、面白いもんだね。乗客は誰も有名人に気づかない。これならわざわざ宿まで送る必要もなさそうだわ。って、彼らを残して電車を降りた。女優はどうも僕に気があるみたいだね。思い上がり?そうかも知れない。
そういう夢で起きたら10時半だった。マグカップにミルクティーを入れて新聞を読みながら飲み、一日の予定をたてる。きのうは学芸大学のコーヒーショップでいい感じに頭が回ったから、今日はパソコンを持って街に出てみよう。モレスキンでスケジュールをチェック。あら、エプロンやらクリーニングに出さんといかんね。バナナを食べ、ヨーグルトを食べる。紅茶をもう一杯入れたの忘れてた。冷めちまった。レンジで温めて、ミルク落として飲む。バリカンでふくらはぎの毛を剃り落とし、シャワーを浴び、シャンプーする。ふくらはぎにテーピングして、ヌメ革のブリーフケースにMacBook入れて通りに出る。快晴の秋。
クリーニング屋に洗濯物を預けたら、やることがなくなった。メシでも食うか。何となくの目標地点は代官山の蔦屋BOOKSだった。とりあえず電車に乗った。次の駅が自由が丘だった。そう言えば駅の構内にスープ屋があったわな。そこで軽いランチでもいいかも知れぬ。今日は後で運動するからね。腹をいっぱいにしすぎない方がいい。でも、自由が丘に着いたら鰻が食べたくなった。ほさかで鰻丼を注文。となりに婆さま。向かいに若造たち。あ、ご飯少なめにして下さい。あと、肝も1本焼いて下さい。鰻とごはん、バランスは無視して箸にめいいっぱいのせて口に放り込む。かけすぎた山椒にむせる。鼻の奥で滞った空気の中に罪悪感のような香りが混ざっている。体温が上昇し、身体が汗ばんでいくのがわかる。丼に見捨てられたご飯が残っている。僕は取り乱すことなく、肝焼きを串からご飯の上にこそぎ落とし、残った飯と軽く混ぜ合わせて食べる。邪道、卑怯、欲張り、などの罵声が聞こえる。
特急電車に乗って、学芸大学で降りた。きのう行けなかったレコードショップに行ってレコードを買い、きのう行ったコーヒーショップに行って、ことばをパソコンに打ち込む。というのが即席で考えた予定だったが、どうなることかね。