いつものコーヒーショップ。店内にもテラスにも客の姿がない。ラウンジ系の爽やかなビートに乗せた男性ボーカル、女性コーラス。温度計はすでに30度を示している。一時停止の設定を解除したかのように、突然何人もの客が店になだれ込んでくる。金髪頭の少年が自動ドアを開け閉めして遊んでいる。母親がロシア語で叱る。父親が飲み物を買ってきて3人でテーブルを囲んで和やかな朝食タイムが始まる。母親のたどたどしい日本語。父親のたどたどしいロシア語。少年の完璧な日本語とロシア語。ブラジルの音楽。ケニアのコーヒー。BGMがレゲエ調になったら少年が席を立って踊り出した。バタバタ、スー、バタバタ、スー、と、奇妙なリズムで野鳥が地面から2メートルぐらいのところを飛んで通り過ぎていく。空の色が薄い。床石を割って顔を出した雑草に強い陽射しが降り注いている。思えばゆっくり座ってコーヒー飲むのも久しぶりな気がする。無職になったのに毎日何でこんなに忙しいんだろう?ふと、店内、また、僕ひとり。日焼けの痛いのが少し痒いのにかわってきた。いつものパーキングエリア。ドリップコーヒー340円。風もないのに木の影アスファルトの上で揺れている。
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